お金が貯まらないのは「収入が少ないから」だけじゃない?
「給料が上がったのに、なぜか貯金が増えない」
「副業を始めて収入が増えたのに、前より余裕がない気がする」
そんな経験はありませんか?
実はこれ、多くの人が陥る「お金の罠」にハマっている証拠かもしれません。
その罠の正体が、今回のテーマ──パーキンソンの法則です。
パーキンソンの法則とは何か?
パーキンソンの法則は、もともと1955年に英国の歴史学者シリル・ノースコート・パーキンソンによって提唱されたものです。彼は、**「仕事は与えられた時間をすべて使い切るまで膨張する」**という法則を提示しました。
しかしこの法則、お金にも応用できるのです。それが次のような形になります。
支出は、収入の額に応じて増えてしまう傾向がある
つまり、どれだけ収入が増えても、支出がそれに応じて増えてしまうため、貯金ができない・お金が残らないという現象が起きるのです。
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│ 月収 │ 支出の傾向 │
├─────────────┼──────────────┤
│ 20万円 │ 家賃5万、自炊中心 │
│ │服はユニクロ、旅行なし │
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│ 30万円 │ 家賃7万、外食週3回 │
│ │ ブランド服を買う │
├─────────────┼──────────────┤
│ 40万円 │ 家賃10万、ジムやサブスク多数│
│ │ 海外旅行を検討 │
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※収入に応じて支出が「膨張」してしまう現象
例えば:
- 月収20万円のときは自炊していたのに、月収30万円になると外食が増える
- 年収が上がると、無意識に「ちょっといい服」や「高い家賃の部屋」を選びたくなる
収入が上がっても生活レベルを上げれば、結局、手元に残るお金は変わらない、もしくはマイナスになることすらあります。
このままでは一生、お金は貯まらない
「収入が増えたら余裕ができるはず」と思っていても、実際には増えた分だけ使ってしまう。これがパーキンソンの法則の恐ろしさです。
そしてこの法則が厄介なのは、無意識に働くという点です。
- 「ちょっと贅沢しても平気かな」と気が緩む
- 「自分へのご褒美」と理由をつけて買い物をする
- 周囲と比べて見栄を張りたくなる
こうした心理が、自然と支出を膨らませていくのです。
つまり、収入を増やすことが直接の解決策にはならないのです。
ではどうすれば、このパーキンソンの法則に打ち勝つことができるのでしょうか?
パーキンソンの法則から抜け出す4つの対処法
パーキンソンの法則を乗り越えて、**お金を「使い切る人生」から「残せる人生」、つまり貯蓄率を高めるための実践的な方法をご紹介します。
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│ 対策 │ 内容 │
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│ ① 先取り貯金 │ 給与日すぐに別口座へ移す。残りで生活 │
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│ ② ライフスタイル維持 │ 収入が増えても生活レベルは据え置き │
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│ ③ 支出の見直し │ 買い物前に「本当に必要か?」を習慣化 │
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│ ④ 自動で資産形成 │ つみたてNISAやiDeCoを活用して投資を習慣に │
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① 先取り貯金を習慣化する
「残ったら貯金しよう」はNGです。(収入-支出=貯金 :×)
支出は収入に合わせて増えるので、先に貯金を引いておくことが鉄則。
給与が入ったらすぐに、定額を別口座に移す「強制貯金」を実践しましょう。
自動振替を使えば、習慣化も簡単です。(収入-貯金=支出 :〇)
② ライフスタイルを固定する
年収が上がっても、生活レベルはあえて変えない。
住居費、外食頻度、娯楽費など、今の基準を維持するよう意識しましょう。
特に、固定費を増やさずに見直すことが大切です。
高い家賃、高級車、サブスクの増加などは、将来的な負担に直結します。
③ 「使用目的のない支出」を見直す
本当に必要な支出か?
見栄や習慣でお金を使っていないか?
支出のたびに「これは自分の価値観に合っているか?」と問い直すクセをつけることで、無意識の浪費を防げます。
④ 資産形成に意識を向ける
貯金だけでなく、投資による資産形成を視野に入れることで、「お金を使う」から「お金を育てる」マインドに変わります。
少額からでも、つみたてNISAやiDeCoを活用して自動的にお金を運用する仕組みを整えましょう。
【まとめ】
パーキンソンの法則は、放っておけば誰もがハマってしまう「お金の落とし穴」です。
でも、法則を知って正しく対処すれば、確実にお金は残せるようになります。
「収入が増えれば何とかなる」と思っていた過去の自分にサヨナラし、
お金に振り回されない人生を手に入れましょう。
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