「昨日は普通に会話ができたのに、今日はまるで別人のよう…」
もし、あなたの大切な人が突然、そんなふうに変わってしまったら――。
認知症と聞くと、多くの人が「物忘れ」や「認知機能の低下」を思い浮かべるかもしれません。
しかし、幻視や身体のこわばり、日によって変わる認知の波といった症状が見られる場合、それは「レビー小体型認知症」のサインかもしれません。
アルツハイマー型認知症とは異なるこの病気は、診断や対応の難しさから、家族や介護者にとっても大きな負担となることがあります。
ですが、適切な理解と支援があれば、本人も周囲もより穏やかに日々を過ごすことができるのです。
この記事では、レビー小体型認知症の主な症状、診断・治療法、そして介護のポイントをわかりやすく解説します。
もしかすると、あなたの「気づき」が、大切な人を守る一歩になるかもしれません。
主な症状
LBDの症状は非常に多様で、以下のような特徴があります。
- 認知機能の変動 – 日によって認知機能が大きく変動することがあり、ある日突然調子が良くなったり悪くなったりします。
- 幻視 – 現実には存在しないものが見えることがあり、特に人や動物の幻視が一般的です。
- パーキンソン症状 – 手足の震え、筋肉のこわばり、動作の遅さなど、パーキンソン病に似た運動症状が現れることがあります。
- 自律神経症状 – 立ちくらみ、便秘、頻尿、低血圧など、自律神経系の不調も見られることがあります。
診断と治療
LBDの診断は難しく、MRIやCTといった画像検査に加え、詳細な問診や神経学的検査が必要です。
特に認知機能の変動や幻視が見られる場合、LBDが疑われます。
治療は症状に応じて異なりますが、認知機能改善薬(コリンエステラーゼ阻害薬)や抗パーキンソン病薬が使用されることがあります。
ただし、抗精神病薬に対して敏感で、副作用が強く出ることがあるため、慎重な管理が求められます。
介護のポイント4選
LBDの介護には特有の難しさがあります。
以下は介護者が知っておくべきポイント4選。
- 環境の安定化 – 生活環境をできるだけ安定させ、不安や混乱を減らすことが大切です。
- 日々の変動に柔軟に対応 – 認知機能の変動に合わせた支援が求められます。
- 感情の理解と共感 – 幻視や妄想に対して否定せず、安心感を与える対応が必要です。
- 専門家との連携 – 医師やケアマネージャーと密に連絡を取り合い、適切なケアを提供しましょう。
最後に
レビー小体型認知症は症状が多岐にわたるため、家族や介護者には大きな負担がかかります。
しかし、正しい知識と適切な支援があれば、本人や家族が安心して生活できる環境を作ることが可能です。
困ったときには専門家に相談し、一人で抱え込まないようにしましょう。
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