レビー小体型認知症(LBD)は、アルツハイマー型認知症や血管性認知症に次いで一般的な認知症の一種で、日本の認知症患者のおよそ15〜20%を占めるとされています。名前の由来は、脳内に「レビー小体」と呼ばれる異常なたんぱく質が蓄積されることからきています。
主な症状
LBDの症状は非常に多様で、以下のような特徴があります。
- 認知機能の変動 – 日によって認知機能が大きく変動することがあり、ある日突然調子が良くなったり悪くなったりします。
- 幻視 – 現実には存在しないものが見えることがあり、特に人や動物の幻視が一般的です。
- パーキンソン症状 – 手足の震え、筋肉のこわばり、動作の遅さなど、パーキンソン病に似た運動症状が現れることがあります。
- 自律神経症状 – 立ちくらみ、便秘、頻尿、低血圧など、自律神経系の不調も見られることがあります。
診断と治療
LBDの診断は難しく、MRIやCTといった画像検査に加え、詳細な問診や神経学的検査が必要です。特に認知機能の変動や幻視が見られる場合、LBDが疑われます。
治療は症状に応じて異なりますが、認知機能改善薬(コリンエステラーゼ阻害薬)や抗パーキンソン病薬が使用されることがあります。ただし、抗精神病薬に対して敏感で、副作用が強く出ることがあるため、慎重な管理が求められます。
介護のポイント
LBDの介護には特有の難しさがあります。以下は介護者が知っておくべきポイント4選。
- 環境の安定化 – 生活環境をできるだけ安定させ、不安や混乱を減らすことが大切です。
- 日々の変動に柔軟に対応 – 認知機能の変動に合わせた支援が求められます。
- 感情の理解と共感 – 幻視や妄想に対して否定せず、安心感を与える対応が必要です。
- 専門家との連携 – 医師やケアマネージャーと密に連絡を取り合い、適切なケアを提供しましょう。
最後に
レビー小体型認知症は症状が多岐にわたるため、家族や介護者には大きな負担がかかります。しかし、正しい知識と適切な支援があれば、本人や家族が安心して生活できる環境を作ることが可能です。困ったときには専門家に相談し、一人で抱え込まないようにしましょう。
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