認知症は、脳の働きが徐々に低下することで日常生活に支障が出る状態を指します。その症状は大きく分けて「中核症状」と「周辺症状(BPSD:Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)」の2つに分類されます。この記事では、特に認知症の基本的な症状である「中核症状」について詳しく解説します。
中核症状の特徴
中核症状は、認知症そのものが原因で生じる根本的な症状であり、以下のような特徴があります。
- 記憶障害
- 新しいことが覚えられない
- 最近の出来事を忘れてしまう
- 約束や予定をすぐに忘れる
- 見当識障害
- 時間や場所、人の認識が曖昧になる
- 季節感がなくなり、夏でも冬の服装を選んでしまうことがある
- 自分が今どこにいるかがわからなくなる
- 判断力や理解力の低下
- 簡単な計算や支払いが難しくなる
- 物事の手順が理解できなくなる
- 料理のレシピが覚えられない
- 実行機能の低下
- 家事や身の回りのことがうまくできなくなる
- 服のボタンを留める、靴ひもを結ぶなどが難しくなる
- 言語障害
- 言葉が出てこない、物の名前が思い出せない
- 会話が成り立たなくなることがある
中核症状への対応方法
中核症状は完全に治すことは難しいですが、適切な対応をすることで症状の進行を遅らせたり、生活の質を向上させることができます。
- 記憶障害への対応
日記やカレンダー、メモを活用する - 見当識障害への対応
毎日のルーティンを整える - 判断力や理解力の低下への対応
簡単な選択肢や視覚的なサポートを提供する - 実行機能の低下への対応
作業をシンプルに分けて段階的に支援する - 言語障害への対応
簡単な言葉で話しかけ、ゆっくりと会話する
まとめ
認知症の中核症状は、記憶や判断力、言語など幅広い能力に影響を及ぼします。しかし、家族や介護者が理解し、適切に対応することで、患者さんの生活の質を支えることが可能です。
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